こんにちは、ROY1380(@ROY1380S)です。
今回はワイルド環境で僕が使用し、レジェンドに到達したOTKパラディンを紹介します。
強力なOTKのみならず、それぞれのカードシナジーが作り出す高いバリューにより、相手に主導権を渡さない正統派のコントロールデッキです。
「感謝いたす。」
戦績はランク5の☆3から。
現環境が過去最も苦手で気力も失いワイルドに移っていたけれど、自分はコントロールが得意だったことを思い出すことができました。
このデッキは僕一人で作り出したものではなく、様々な人たちから意見をいただき今の形に至りました。 pic.twitter.com/CBffjnu4kY— ROY1380 (@ROY1380S) 2017年10月24日
この記事のもくじ
OTKパラディンについて
デッキリスト
デッキコード
デッキ概要
このデッキのルーツはS41のスタンダードにて、hint24選手が作成した断罪のウーサー・エボンブレードを用いたOTKパラディンにあります。
ついに!ついにOTKパラ一本でレジェンド達成!!!
最後の最後もOTK。こんなに1つのデッキを深く研究したのは初めて。試しすぎて途中ウーサー君がゴールデンに変わる。
今の形は多分メタに食い込める強さです。デッキ紹介&デッキコードhttps://t.co/WgiBlM23X9 pic.twitter.com/ZetPMEKutl
— hint24@ハースストーン (@hint24s) 2017年8月23日
元となるhint24選手のデッキと大きく異なる点として、ワイルドではソーリサン皇帝を使用できることから、強盗ログを使わずに自発的にOTKのパーツを揃えることができます。
基本的なゲームプラン
このデッキを使う上で、耐久プランとOTKプランの2つを常に意識する必要があります。
耐久プラン
アグロデッキが多いランク戦では、相手のリソース切れまで耐え切って勝つ場合が多いです。このデッキには平等を用いた強力な除去や、凍結や挑発による時間稼ぎに加えて、高いバリューを作り出すカードが豊富に含まれているため、高い耐久力で凌ぎ切りじわじわと押し返していくプランを執ることが可能です。
細かなカードの使い方を以下に記します。
グレイシャル・シャード 有徳の守護者 三下集合
低コストミニオンとそのシナジーについてです。グレイシャル・シャードは任意の対象を凍結状態にすることができるため、高スタッツミニオンの動きを封じることで真価を発揮します。有徳の守護者は挑発と聖なる盾を持つため、沈黙以外では攻撃を2回分止めることができ、時間稼ぎとしては非常に優秀です。どちらも強力な除去を掴むまでの時間稼ぎや、相手によりリソースを使わせるための劣りとして最適です。さらに1コストであるということから、使い勝手の良さは元より、三下集合で3コスト3ドローという破格のデッキ圧縮を可能にします。対アグロのリソース補充としても強力であり、OTKの下準備としても強い動きです。
水文学者
ワイルドでは仇討を発見する可能性があるため、兵役招集や前述の1コストミニオンと合わせることで、序盤に大きなアドバンテージを得ることも可能です。またスタンダード同様、救済を取ることができれば、有徳の守護者かウィッカー・フレイムと組み合わせることで、相手に致命的なロスを誘うことができます。自分のハンドと引く可能性のあるカードを見て、最適な秘策を取ることを意識しましょう。
週末預言者 平等 熱狂する火霊術師 聖別 しめやかな通夜
コントロールパラディンとしては昔から馴染み深いシナジーです。週末預言者によるボードクリアや、熱狂する火霊術師と平等、あるいは聖別と平等による確定除去により、コストを格段に下げたしめやかな通夜ですかさず2ドローできます。これにより、最も強い除去と同時にリソースの補充もできるという隙のない立ち回りが可能です。
兵役招集 太陽の番人タリム
単独でも強力であるため、兵役招集は3ターン目に使用することも多々ありますが、前述の仇討と組み合わせたり、太陽の番人タリムと合わせることで3/3を並べるなどのシナジーも豊富です。また太陽の番人タリムも単独で非常に強力であり、相手の高スタッツミニオンを3/3するだけでもゲームに大きな影響を与えます。その他に、前述の1コストミニオンも太陽の番人タリムのバフに巻き込みやすく、様々な使い方があります。
ウィッカー・フレイム 剣竜騎乗
ウィッカー・フレイムは、聖なる盾、挑発、生命奪取と最高峰の防御力を持つカードです。前述のように救済と組み合わせるだけではなく剣竜騎乗とも相性がよく、唯一のネックであったスタッツの低さを補完することができます。また剣竜騎乗はアグロ側からは単体でも脅威となり、ヒーローパワーのトークンに使用するだけで試合が動くほどです。非常に強力ですが、沈黙で無効にされることだけは気を付けておきましょう。
按手の儀式 断罪のウーサー・エボンブレード
絶大なバリューで拮抗した盤面を覆すカードです。按手の儀式は8回復3ドローという決して少なくないライフゲインとリソース補充を行うことで、形勢を優位に持っていきます。断罪のウーサー・エボンブレードは雄叫びで得られるグレイブ・ヴェンジェンスが非常に強力です。5/3で生命奪取という効果により、合計15点ダメージ15点回復に加えてデスナイト化の装甲5を加えると、ダメージレースで35点分有利になると考えると、まさにフィニッシャーとしてゲームを終わらせるレベルです。対アグロにおいて、これらのカードを使用できるまで逃げ切ることができれば、様々な方法でとどめを刺すことができるでしょう。
OTKプラン
高い耐久力を持つコントロールデッキを削り切ることは困難なため、初めからOTKを狙う必要があります。四騎士のOTKは無条件で相手のヒーローを破壊するため、発動した時点でゲームに勝利します。しかし強力な反面、複雑な工程を挟むため、明確なプランニングが重要になります。そのためにも、このデッキに含まれるドローソースを十分に活用してデッキを回す必要があります。
以下ではOTKのパーツを必須パーツと代替可能パーツに分けて記します。
必須パーツ 競売王ビアードオ 断罪のウーサー・エボンブレード (ソーリサン皇帝)
四騎士を召喚するためには、まず断罪のウーサー・エボンブレードでヒーローパワーを変更する必要があります。そのため、可能な限り早くデスナイト化を狙いましょう。ヒーローパワーの変更が済んだら、競売王ビアードオの効果で呪文を使用するたびにヒーローパワーを使用可能にし、四騎士を1ターンで揃えきることでOTKを行います。この際、呪文のコストを考慮しない場合でも、競売王ビアードオの3コストと、ヒーローパワー4回分の8コストで合計11コストが必要なため、何らかの形でこれを軽減する必要があります。スタンダードで作られたhint選手の型では、強盗ログで増やしたコインを用いることで呪文の使用と同時にコストを補填することができました。しかし、この型では代わりにソーリサン皇帝を用いて解決しているため、今回はソーリサン皇帝も必須となり適切なタイミングでコストを下げておく必要があります。
ソーリサン皇帝を用いたコスト下げの対象は、代替可能パーツとしてコインの代わりに使用する1コスト呪文3枚と、競売王ビアードオの合計4枚が必要になります。
代替可能パーツ 知恵の祝福 秘策 スペアパーツ
前述のコスト下げを必要とする呪文として、この中から3枚使用することになります。
知恵の祝福はドローソースを増やしたり、相手のミニオンに使用することで行動を制限することもできるため、パーツとして使うべきかの見極めが難しいです。
水文学者から発見した秘策も1コスト呪文であるため、パーツとして使用することができます。獲得した秘策を有効に使えなかった場合など、パーツとして使用することも視野に入れておきましょう。
強盗ログの代わりに組み込んだギミックとして、メカ・イェティとトッシュリーから獲得できるスペアパーツがあります。これを用いることでコイン獲得のリスクを回避したOTKを円滑に行いやすくします。注意点としてはランダムで獲得するスペアパーツの中にははずれがあり、時間歪曲装置でミニオンを戻してしまうとOTKを達成できなくなるため、可能であれば他の上記のもので代替できるように余裕を残しておくことが望ましいです。
各マッチアップのマリガンとゲームプラン
基本となるマリガン
グレイシャル・シャード 有徳の守護者
速いフェイスデッキ相手には三下集合でサーチする時間も惜しいため、キープすることが多いです。
終末預言者 熱狂する火霊術師
展開力の高いアグロデッキ相手への返しとして重要です。
水文学者 兵役招集 三下集合 ウィッカー・フレイム
序盤を戦う上で主力となるカードです。基本的にはどのようなデッキが相手でも、これらのカードを駆使してゲームを優位に運びます。
断罪のウーサー・エボンブレード
コントロール戦が予想される場合、OTKのために最も優先するべきカードです。
vsアグロドルイド
相性:五分 マリガン:終末預言者 熱狂する火霊術師
序盤から展開されたミニオンを返す必要があります。アグロドルイドは持久力に乏しく、一度返すことができれば失速してなし崩し的に勝つことができるため、AoEを最も効果的に使用できるタイミングを見極めましょう。注意すべき点は、バフをかけられて除去が追い付かなくなることや、獰猛な咆哮で削り切られないように常に相手の打点に気を付けましょう。
ワンポイント:効率的な除去と、細かな除去のバランスを考えましょう。
vs翡翠ドルイド
相性:不利 マリガン:三下集合 断罪のウーサー・エボンブレード
翡翠ドルイドの方が早く強力なミニオンを展開できることと、マナブーストや究極の侵食による後半の加速力についていくことができません。できる限りボードをさばきながら、早くOTKパーツが揃うことを狙って立ち回りましょう。
ワンポイント:絶望的なマッチアップです。当たらないことを祈りましょう。
vs巨人ハンター
相性:五分 マリガン:平等 三下集合
5ターン目のナーガの魔女から大量の巨人を展開してきますが、パラディンは平等で返すことができます。平等が引けるかどうかに全てがかかっているため、相性差はありません。細かなテクニックとしては、平等が引けていない場合や、ヘルスを削れずに溶岩の巨人を誘えなかったときなど、グレイシャル・シャードや有徳の守護者で時間を稼いで延命したり、より多く巻き込むことも狙えます。
ワンポイント:2枚目のナーガの魔女に備えて、平等は2枚キープするぐらいでも良いでしょう。
vs秘策メイジ
相性:やや不利 マリガン:終末預言者 平等 勝鬨の剣
秘策の処理を間違えるとゲームを落としてしまいかねないため、的確にさばく必要があります。鏡の住民に終末預言者を宛がったり、剣竜騎乗や按手の儀式で呪文相殺を踏まないように気を付けましょう。さらに多くの型では複製も採用されているため、状況に応じて何を増やされることが最も被害を抑えられるかをよく考えて処理しましょう。また、秘策メイジに採用されているミニオンは、熱狂する火霊術師の1点AoEのみでは除去しきれないため、切り返すためには平等が必要になります。
ワンポイント:いかにさばきにくいミニオンを上手く処理するかにかかっています。
vsレノメイジ
相性:有利 マリガン:三下集合 しめやかな通夜 断罪のウーサー・エボンブレード
四騎士のOTKにはヘルスやアイスブロックの意味がないため、真価を発揮するマッチアップです。またレノメイジの型のほとんどは攻撃力が低いことや、ドローが遅いためOTKのパーツを揃えやすいです。そのため、序盤からほとんどノーガードでデッキを回すつもりで良いでしょう。後半はドクター・ブームや大魔術師アントニダスのような強力なミニオンが出てくるため、引いた除去は的確に使用するように気を付けます。
ワンポイント:型によってはマーロックの託宣師が採用されているため、カードを燃やされないように気を付けましょう。
vsマーロックパラディン
相性:不利 マリガン:特になし
マーロックパラディンにはシークレットを軸として、マーロックシナジーを加えたものと、除去を多く採用したコントロール型の2つがあります。どちらにしても相手の方が展開が早く、七つの鯛罪を受けるのも厳しいため不利マッチになります。基本的な立ち回りを意識して、相手の引きが悪いことを祈る試合になるでしょう。
vsレノプリースト
相性:やや不利 マリガン:三下集合 しめやかな通夜 断罪のウーサー・エボンブレード
どちらが先に必要なものを揃えられるかというマッチアップです。プリースト側の方がOTKに条件が緩いため、こちらが若干不利に感じます。レノ・ジャクソンの効果があるため削り切って勝つことは厳しく、相手の側もコンボパーツを揃えるまで攻撃力が低いため、お互いにただ引くだけの展開になるでしょう。
ワンポイント:ドブネズミやマーロックの託宣師は常に警戒しておきましょう。
vsビッグプリースト
相性:やや有利(不利) マリガン:三下集合 平等 太陽の番人タリム
バーンズと永劫の隷属次第ではなすすべがありません。その辺りが上手くかみ合わなければ十分勝てます。最も重要な立ち回りとしては、平等のバリューを最大化することです。大型のミニオンが多く採用されているとは言え、総数自体は多くないため全てさばき切ることは不可能ではありません。グレイシャル・シャードなどを駆使して誘い、少しでも多くのミニオンを平等や太陽の番人タリムで取ることを意識しましょう。
ワンポイント:フェイスへの直接的な打点は、基本的には炎の王ラグナロスとデスナイトのヒーローパワーぐらいしかないため、ボードの圧力に怯まないことが重要です。
総括
コントロールデッキとは、様々なシナジーを駆使し、試合中の細かなプランを調整しながら戦うデッキだと僕は考えています。久しぶりに骨のあるコントロールデッキを使おうと思い、ワイルドに戻って思案していたところ、パラディンの強力なOTKが思い当たりました。これをワイルドで運用しようと思い、すでにスタンダードで成果をあげていたhint24選手のOTKパラディンを元にした試行錯誤が始まりました。デッキを調整していく過程で、TwitterやTwitchに様々な意見が寄せられ、何度も形を変えて今のリストの納まりました。このリストは僕が一人で研究して仕上げたものではなく、元のリストがあり、そこに複数のアイデアが加わり、その結果を僕が示したものです。
基本的なプランとしては原型となったhint24選手のリストと一緒です。デッキに含まれる様々なシナジーを活かして、ひたすら耐えるか、OTKを急ぐかというものです。細かい部分としては、相手によって有効な手段が異なるため、やはりゲームに対する深い理解を求められることでしょう。そのため、そういった高いスキルを求められるデッキを触りたい方にはぜひこれをオススメします。
ワイルド環境はカードプールに対して大幅に人口が少ないこともあり、まだまだ発掘されていないデッキが多く存在すると僕は睨んでいます。このような一見変わったデッキであっても、予想外のポテンシャルに気づかされることもあります。何気なく思いついたデッキがメタを書き換えるかもしれないと思うと、カードゲーマーとして高揚しませんか?
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