【レビュー】数学文章作法 基礎編 結城浩著

 こんにちは、ROY1380(@ROY1380S)です。

 今回は『数学文章作法』という、『数学ガール』シリーズでお馴染みの結城浩先生が書かれた本を紹介しようと思います。
 この本は文章を書くあらゆる人にとって、多大な手助けをしてくれるであろうと思い、ぜひ多くの人に知ってもらいたいと思いました。

数学文章作法 基礎編

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 本書は数学書ではありません。「数式まじりの文章を書く人」へ向けた指南書であり、「数式が含まれる文章を正確で読みやすく書くこと」について書かれた本です。しかし本書で触れる内容は、「数学」を自分が書こうとしている題材に置き換えても成立するものです。たとえば、僕の場合では普段はゲームの記事を書いていますが、本書に登場する「数学」に関する語句を「ゲーム」に関するものに置き換えても、重要なことは一切変わりません。「数学」や「ゲーム」に限らず、伝えたい何かを持っている人には、その何かを表現するサポートをしてくれるはずです。

本書の構成

 本書は以下の8つの章立てから成ります。

・第1章 読者
・第2章 基本
・第3章 順序と階層
・第4章 数式と命題
・第5章 例
・第6章 問いと答え
・第7章 目次と索引
・第8章 たったひとつの伝えたいこと

 「何のために文章を書くのか」と言った、最も大事なことから始まり、「文章のルール」や「文章の構造」を確認した上で、「読者の理解を促すための技術」を学ぶことができます。たとえば、読者にとって「文章のルール」を意識して読むことはないでしょうが、ルールを守らずに形式が定まっていない文章はとても読みにくいはずです。著者はそのような読者の無意識の部分を考慮して、文章を書く必要があります。

本書を読み終えて

 僕自身、文章を書くことにはそれなりの自信があったため、本書に記されている事柄の多くは自然と守れていたと感じました。多くの人にとっては、当たり前に感じる内容も含まれていると思います。しかし全く意識したことがなく、ハッとさせられたことも中にはありました。具体的には第7章の「目次と索引」で、何気なく付けていた目次を付けること自体が自分で書いた内容の再確認になるのだと認識しました。
 僕は理系学部に在籍していたので、本当は卒業論文を書く前に本書に触れていればベストでしたが、理系であることに関係なく、今後の執筆などに大きな影響を受けると思います。
 また本書は章ごとに内容が小分けされているため、小脇に置いて確認をしながら文章を書くことができるはずです。何度も読むことができる貴重な一冊だと思います。

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